鬼々よろしく歴史伝⑥〜チーム転換期〜

2016年テーマ 
「くるくるくるり
〜この世をば 巡りて巡る 望月の 角のひとつも なしと思えば〜

いいことをすればいいことが、悪いことをすれば悪いことが返ってくる。

昔の人はよく言ったものです。

目の前のことに一生懸命取り組み、努力していればいつかその結果は自分に返ってくる。
ひがんだり、投げ出したりせずに取り組み続けたら、きっといいことがある。

今、よい行いを積み重ねて、未来を迎えよう。

そんな思いを込めました。

2016年は、チームにとって最も忘れられない年となります。

第23回おかやま桃太郎まつりうらじゃで・・・・

最優秀賞 誉
ハレマチ子ども演舞場賞(日曜)
表町タペストリー最優秀賞

なんとなんとなんと、トリプル受賞!

結成6年目を迎え、出来すぎた結果を子どもたちがもらうことができました。

そんな2016年はどんな年だったのか、その裏側をお話しますね。

2016年は、新しい挑戦が特に重なった年でした。

①衣装
②振付
③楽曲

この3つで大胆に挑戦をします。

①衣装

チーム結成以来ずっとお願いしていた業者を変え、新しい業者にお願いすることになります。
着物が専門の業者でしたが、我々の気持ちを聞いてくださり、快く制作を引き受けてくださることに。
和のテイストを存分に表現した衣装になりました!

②振付

2015年に加入した、さとちゃんがこの年、初めて全振り付けを担当します。
彼女にとって生まれて初めての振り付けでしたが、これまでのうらじゃ歴はだてではありませんでした。

子ども連らしからぬ複雑で難しい振りを作ってくれ、子どもたちは苦労して覚えていました。

ある人からは、「振り付け師、変えた?」と言われるほど。
見る人が見たらわかるんですね~。
これまでの振り付けから大きくバージョンアップをしました!

③楽曲

そして楽曲。

昨年の意気込みとは裏腹に「もう無理だ!」と打ち込み作曲のさじを投げ掛けていたせんせい。
そこに救世主が現れます。

天才編曲者のしょーさん

せんせいの昔からの知人である、きよしさんに紹介をしてもらいました。

せんせいが考えたメロディーラインに、豪華な伴奏をつけて1つの曲にする。

1つ1つの音や楽器に向かい合って、納得しながら進めていく過程は、大変でしたがとても貴重な経験となりました。

さらにこの年から、歌い手のまきまきが正式加入
せんせい、ボス、まきまきの3人マイク体制がやっと正式に出来上がりました。

さらにさらに、これまで煽りせりふを言う役割だったボスが歌に挑戦

これもこの年の大きな挑戦でしたね。






振り返ってみれば、衣装・振付・楽曲、全てがこれまでの制作体制とはちがいました。

「変えよう」と変化をすることが目的だったのではありません。

『子どもたちをかっこいい演舞の環境で踊らせたい』
その一心で挑戦をし続けることを目的にしたからです。

これまで毎年挑戦を続けてきましたが、ここまで大胆な挑戦は初めてでした。

挑戦するためには、これまで培ってきたものを捨てなければなりません。

過去の実績や栄光をそのままに生かすことはできないからです。

何かを得るなら、何かを捨てなければいけない。
これは成長のためには必須命題なのです。

しかし、そこには必ず「不安」がついてまわります。
まるで桃鉄のキングボンビーのように。

そして、「捨てる」過程では、これまで一緒にやってきた人、
力を尽くしてくれた人とも離れなければならないこともあります。

それは時に、残酷な結論を相手に告げることになります。

わたしは、それを嫌われる覚悟でやってきました。
実際に、今も多くの人に嫌われています。

しかし、わたしには夢があります。

「うらじゃを教科書に載せる」という夢です。

実は15年前から言い続けているこの夢は、わたしの関係のないところで叶いました。
もううらじゃは教科書に載っているんです。

だから今の夢は、
「47都道府県で鬼々の演舞を披露する」に変わりましたけどね。

チームを改革するためには、挑戦が必要不可欠です。
挑戦のためには、非情な決断をしなければならない時もあります。

人は、「これまでずっとお世話になった人だから、これからもずっとそうしよう」と、現状を維持しようとする性質があります。

現状維持バイアスがかかるのです。

しかし、そこにもメスをいれなければならない時がきます。

その時に判断基準となるのが、

チームが目指す明確な目標です。

チームを立ち上げた以上、目標は必ず必要です。

「みんなで楽しくかっこよく」なんてぼんやりした目標では、
なにか問題が起きた時、全員が向かう目標とする姿が明確じゃないので、
必ず仲間割れの原因になります。

断言します。

一言で言える明確な目標がないチームは、長くは続きません。

そんなチームを今までたくさん見てきたからです。

幸いにも、鬼々は「子どもをうらじゃで育てる」という明確な目標がありました。
うらじゃの中で礼儀や挨拶、協調性やあきらめない心を育むという、目標を具体化したイメージがチーム内に共有されていました。

素晴らしい運営メンバーに恵まれていることも、もちろんチームの成長を支えている要因です。

だから、これまで大きな挑戦を続けることができたし、連としてピンチになったときも、目標を確かめることで進む道を確認し、迷うことがなかったのです。

目標を実現するために、一時の感情で決断することはせず、立ち止まって考えましょう。

自分たちは、どんなチームになりたいのか。

それを実現するためになにができるのか、とことん話し合いましょう。

その過程で、考えの相違が出てくることもあるでしょう。

しかし、メンバーに気を使って調和をとることだけにエネルギーを注いでいては、チームとしての方向性がブレます。

チームとしてみんなで集まって、楽しく踊りたいだけ、というならそれでいいでしょう。

しかし、チームとして集まった以上、メンバーの貴重な時間とお金と情熱を預かっているんです。

ちょっとでも上の景色を目指し、メンバーの気持ちを高めることを全くしないなら、わたしはそれは責任放棄だと、宣言します。

目標を立て、それを目指す。

そのチームとしてのあり方を、ぜひ考えてほしいと思います。

全ては、あなたのチームに集まってくれたメンバーの幸せのために。

うらじゃが好きな人が、もっとうらじゃが好きになるために・・・・・。


話を鬼々に戻します。

2016年は誉を受賞しましたが、これはこの年のメンバーが頑張ったからだけでなく、過去5年間で鬼々に所属し、踊ってくれて、泣いたり笑ったりして成長したメンバーの基盤があったからです。

また、チームとして挑戦し続けて、その挑戦についてきたガッツのあるメンバーだから、成し遂げられたのでしょう。

受賞後、振付師のさとちゃんから言われました。

「演舞後、丁寧に礼をしたり、演舞場を出る時に礼をしたりした子どもたちの姿を見て、
せんせいのこれまで言い続けてきた理想が、子どもたちの行動に表れていました。
それが評価されたんだと思います。」

なるほど!と思わず手を叩きました。

これまでやってきたことは、決してムダではなく、進んできた道も間違っていなかった。

うらじゃで子どもを育てる。

うらじゃで子どもが育った。

そう実感した瞬間でした。




◆こぼれ話①

この年の受賞発表はネットで行われました。

総おどりが終わり、本部へまきまきと挨拶に行っていたので、
メンバーたちからは離れていたせんせい。

急にひらんがかけよってきて、わたしの肩をバンバン叩きます。

「おいおい! おめでとう!」

え? 画面を見ると、よく見慣れた字が。

え? うそ~!!!!

信じられない気持ちが先行したまま、ボスに電話をかけます。

つながらない。

「話し中?」

もう一度かける。

わー。ざわざわ。わー。

声のような声でないような声が聞こえてきます。

急いでみんなのところに戻ると、涙を流して喜んでいるみんなの姿が・・・

さっきの電話は、応対できないほどの感激の現れだったんですね。

正直そのあとはよく覚えていません。

みんなで喜びを分かち合って、人生でも上位に入る幸せな時間だったことは間違いありません。

これまで頑張った子どもたち、
それを支えるスタッフ、
これまで鬼々で踊ってくれて、2016年は踊り子ではなかったメンバー。

鬼々に関わる人全てを、最高のご褒美で報いてあげることができたこと。

それが一番うれしかったのです。

テレビでも長い時間演舞が映りました。
「おめでとう」とたくさんの人に言われました。
備前焼のトロフィーももらいました。

もう、できすぎなぐらいできすぎた年でした。

◆こぼれ話②

この年から、テーマの方向性を変えました。

これまでは、「岡山のよさ」をアピールするようなテーマにしていましたが、
何かがひらめき、2016年からは「人生で大切にしてほしいもの」でテーマ設定をしています。

毎年のテーマはチームにとって、とても大切なものです。
その年の楽曲、衣装、振り付け、ひいては運営や練習の雰囲気も、そのテーマによって変わるからです。

人として大事なことをメッセージに込めることで、見ている人に伝わると思ってテーマを設定しています。

しかし、テーマのメッセージを一番送りたいのは、鬼々の子どもたち・踊り子です。

鬼々の踊り子は、年間で100回以上同じ演舞を踊ります。

うらじゃ本祭では、せんせいの会場ごとに変わるMCを全て聞くことになります。

思いを込めた楽曲・衣装・振付を演舞という作品で体全体で表現し、
各演舞場でメッセージをせんせいの言葉で何度も繰り返し聞く。

そうやって体にテーマの本当の意味が染み込んでいくことは、
「うらじゃで子どもを育てる」この一環でもあるわけです。

2016年は「くるくるくるり」について、
あの言葉、この言葉で何度もテーマについて語りました。

きっと、子どもたちにはその意味が伝わっているはずです。

そして、大きくなったときどこかでこのメッセージを思い出し、
人生の礎にしたり、人に伝えたり、自分自身の糧としてほしいと願っています。

◆こぼれ話③

この年、せんせいは相当ひらめくものがあったのでしょう。

文書作成ソフトWordで、テーマイメージ画像を作ります。

もっと画像作成に特化したソフトはあるのに、よりによってWord・・・・。

そんな勢いで作った画像がこちら↓

テーマのイメージ画像はこの年から毎年作るようになります。
イメージ画像があることで、振付や楽曲、衣装のインスピレーションがわきやすい!
と制作陣からは大変好評です。

そして、気になる最優秀賞タペストリーの画像は・・・こちら!

この年も、スーパーウルトラマーベラスハイパーデザイナー、すーさんの力作です。

すーさんはいつも言っていました。

「タペストリーは踊り子の士気を高めるためのもの。わたしはタペストリーで子どもを盛り上げたい。」

タペストリーだけを取り上げられることを嫌うすーさんですが、この結果なら文句なしでしょう!

踊り子も、タペストリーも、立派なものです!

また、子ども演舞場賞も受賞。

「子ども中心のチーム」
「子ども主体のチーム」
と看板を掲げてる我々にとっては、この演舞場賞がとってもうれしい!

子どもが活躍しないと、祭りの未来はありません。

子ども部門でも、総合部門でも、子どもたちの頑張りを評価されたこと、とてもありがたく思います!

それでは、気になる演舞をご覧ください。

うらじゃ2日目 ハレマチ演舞場 最後の演舞!

チームとしての基盤が6年目で完全にできあがった。
しかもその基盤は、「挑戦」という文字で固められています。

多くの人に支えられ、
多くの人の心を動かし、
多くの人の力で、
チームが大きくなったことを実感した年となりました。

2016年は、特に想い出がたくさんあった年だったので、かなり長い記事になりました!

最後まで読んでくださりありがとうございました!

そして最後まで読んでくださったあなたに恒例のおまけ!

2016「くるくるくるり」の歌詞、煽りせりふつき〜!

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